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日本フィンランドむし歯予防研究会Japan FinLand Society for Caries Prevention

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Q&A

オンラインセミナーを受講いただいた皆様からお寄せいただいたご質問の回答を掲載しております。*特定の商品に関するご質問など、お答えできないものは掲載をしておりません。
また、類似のご質問はまとめた形にて記載をしております。ご了承をお願い致します。

配合率・配合物・摂取量

キシリトールの配合量の効果の違いを教えてください。100%配合しか効果がないのでしょうか?
キシリトールのう蝕に対する効果は、甘味料におけるキシリトールの配合率を50%、100%などで研究(*1)し、いずれもう蝕抑制効果を確認しております。
一方、1日あたりの摂取量も変えて研究しており、1日5〜10gで有効(*2)であることがわかりました。
以上より、キシリトール配合率50%以上の製品を、キシリトール重量で1日5〜10g摂取することでう蝕抑制効果が期待できます。
なお、同じ大きさのガムではキシリトール配合率50%の製品は、100%の製品に比べてキシリトール含有量は半分ですので、同じ量を摂取するには100%製品の2倍の個数を摂取する必要があります。
個数を少なく、効率よく摂取するには100%製品がおすすめです。
キシリトール製品を選ぶ際に、キシリトールの配合率・配合量の他に、どういったところに気をつけて選べば良いでしょうか?
キシリトール製品は必ずシュガーレス表示を確認して下さい。この表示が有る事は、口の中で酸を産生する炭水化物が含まれていないことを意味します。また、強い酸が入っていないことも確認してください。
キシリトールの効果は長期間定期的に摂取することで得られます。
そのため、いつも購入できる事、味や食感が合っていることが大切になります。
せっかくキシリトールを摂取し始めても、直ぐに中断してしまうのであれば、十分な効果は見込めませんので、できるだけ長く摂取できる環境を作り上げると良いでしょう。

摂取タイミング

キシリトールの摂取の順番を教えてください。歯磨き前後?寝る前?
キシリトールですが、特に摂取の順番については、多くの研究では食後に摂取しています。
ただし決めごとはありません。
1994年から97年にかけて行われたエストニアでの研究では、食後ではなく、食間に摂取することで、対象群と比較して7割のう蝕抑制効果が出ています。
また、フィンランドでは就寝前のキシリトール摂取を勧めています。
ただし日本では、食後歯磨きをして口の健康を守ることが一般的だと思いますので、食後、もしくは歯磨き前にキシリトール摂取を勧めた方が受け入れやすいと思います。
もしも、就寝前にキシリトール製品を摂取するのであれば、発酵性の炭水化物が含まれていないことを確認して下さい。
キシリトールは一回何分を目安に噛めばいいでしょうか?また一日何回噛めばいいのでしょうか?
フィンランドでは5分以上噛むことを推奨しています。甘味が無くなると甘味料としてのキシリトールはガムからはなくなりますが、咀嚼を続けることにより唾液が分泌されること、また、歯間など隅々までキシリトールを行き渡らせるためには5分の目安で噛むことが勧められます。
多くの研究から1日3回以上噛むことが推奨されています。さらに幾つかの調査で、1日5回噛むことを薦めても、実際には3回程度噛んでいることが明らかになっています。1日に3回噛むことを勧めると、実際には2回以下しか噛まないという結果になっていますので、患者さんがどの程度の頻度で噛んでいるかは、メインテナンスの時に必ず確認してください。
キシリトール摂取はどれくらいの量をどれくらいの期間、続ければいいのでしょうか?
3か月したらやめても大丈夫でしょうか?年齢による摂取期間の違いはありますか?
1日の合計量として5〜10グラムを3〜4回に分けて摂取するとう蝕予防効果が期待できるといわれています。
2週間でミュータンス菌の数が減り始め、さらにう蝕の発症リスクをローリスクのレベルまで低下させるには少なくとも約3ヵ月を要します。
【参考】「マイナス1歳」からはじめるむし歯予防(仲井雪絵先生著/オーラルケア,2011)
摂取を中止すると、数カ月から数年でもとの状態に戻るといわれています。
いっぽう、一定期間以上(1年以上)キシリトール摂取を継続した場合、長期にわたりう蝕予防効果が認められたとの研究報告もあります。(キシリトールの長期効果)
ガムを噛むことのできる年齢であれば、摂取量や期間に差はありませんが、う蝕発症リスクが高い人はできるだけ長期間の使用が勧められます。

ガムとキャンディ(タブレット)

キシリトールはガムとタブレットのどちらが効果がありますか?
年齢によっておすすめは変わりますか?
ガムとタブレットで使用方法の違いはありますか?
まずは、キシリトールガム、タブレットのどちらが効果があるかと考える前に、
キシリトールのう蝕予防効果を期待する為には、キシリトールの摂取方法よりも摂取が習慣化していることがの大事です。エストニアの研究では1日5〜10gを3〜5回に分けて、
年間200日程度の摂取で効果が表れています。
ただし、タブレットに比べガムは噛むことによる唾液分泌が期待できます。再石灰化を促進します。

習慣化するには患者さんの年齢、生活環境などをよく鑑みての摂取方法の指導が必要です。例えば、2歳くらいの子供や残存歯の少ない高齢者などのガムが苦手な方には、タブレットの使用がすすめられます。一方で、噛む力をつけたい混合歯列期の小学生などにはガムの使用を勧めす。
その患者さんをよく診てどちらが必要かを導き出せば、患者様にとって最適の使い方が導き出せます。

年齢による摂取の違い

年齢によってキシリトール摂取の方法は変わりますか?
生後何か月からキシリトールを摂取できますか? *
どれくらいの量を与えればよろしいでしょうか?
また、高齢者はどのように摂取すればよろしいでしょうか?
幼児はタブレットから始まり、小児、成人はタブレットとガム。高齢者は咀嚼しなくても摂取できるタブレットが適していると思われます。
1日の摂取量の目安は幼児から小児ではキシリトール量0.5~1gを3回程度、成人ではキシリトール量5〜10g程度が推奨されています。
成分としてのキシリトールは、どの年代でも摂取することが出来ますが、ガムやタブレットなどそれぞれのキシリトール製品には、推奨年齢等が記載されていますので、年齢に合った製品を使用してください。
キシリトール摂取は大人にも効果はありますか?
う蝕予防が最も効果のある時期は子供(乳幼児)です。則ち、う蝕リスクが高い年齢で最も効果があります。一方で、キシリトールの最初のフィールドスタディーであるトゥルクシュガースタディーでは、対象者は成人で、う蝕予防効果が得られています。そのため、大人でも十分に効果があると言えます。
キシリトール摂取量は大人も子供も同じでしょうか?
キシリトールは医薬品ではなく食品なので、体重により摂取量を増減するものではありません。
年齢に関わらず、Q1で述べたようにキシリトール重量で1日5〜10gを摂取することでう蝕抑制効果を期待することができます。
一つ注意点として、キシリトールを含む糖アルコールを多量に摂取した際の有害事象として鼓腸や下痢があります。
体重の軽い小児は大人より少量で発生する可能性があります。
通常の推奨される摂取量での発生は極めて稀ですが、体重が影響することは考慮する必要があります。

母子伝播

母親がキシリトール摂取をすることによる生まれてくる子供へのむし歯予防効果を教えてください。
生まれたばかりの子供の口の中には、ミュータンス菌はいません。歯が生え始めると、周りの人たちからミュータンス菌は子供の口に伝播します。この伝播し、ミュータンス菌が定着する時期が早いと、う蝕発症のリスクが高くなり、一方で、定着時期が遅いとリスクは低く抑えられます。
口腔内にミュータンス菌が多い母親が、妊婦中からキシリトールを摂取し続けると、生まれてくる子供の口の中にミュータンス菌が定着する時期が遅くなり、う蝕の発症も少ない事が明らかになっています。

『生まれてくる赤ちゃんのむし歯予防には?/もっと知りたいキシリトールのちから』

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妊娠何か月からキシリトール摂取すればよろしいでしょうか?
乳歯が萌出する少なくとも3か月前からのキシリトール摂取が必要ですので、妊娠中で定期的にキシリトール摂取ができる状態であれば、何時からでも開始できます。

『赤ちゃんのむし歯予防、妊娠何ヶ月からキシリトールを?/もっと知りたいキシリトールのちから』

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下痢の作用について

キシリトール摂取のよる下痢症状に関して教えてください。
キシリトールは糖アルコールの一種です。
糖アルコールは小腸で吸収されにくいので、多量に摂取すると便が緩くなったり下痢を起こす、浸透圧性の下痢と言われる現象が起こります。体に害があるので下痢を起こすのではないことを理解する必要があります。浸透圧性の下痢は、摂取量に依存していますが、キシリトール(1kgあたり0.75g)は他の糖アルコール(マルチトール0.35gやソルビトール0.5gなど)よりも下痢が起こり難いことが証明されています。
大人での通常使用量では下痢は起こらないと考えられますが、小さなお子さんに使用する場合には、使用量を考える必要も出てきます。しかし、浸透圧性の下痢は糖アルコールを摂取し続けることにより慣れて起こらなくなります。

歯磨剤・ジェル

キシリトール配合の歯磨剤によるむし歯予防効果は期待できますか?
幾つかの研究で歯磨剤にキシリトールを配合することにより、う蝕予防効果が上がっています。しかし、市場でう蝕抑制効果のためにキシリトールを配合している歯磨き剤はないので、残念ながらう蝕予防に使用することは不可能です。確かにキシリトール含有の歯磨き剤はありますが、これらは甘味材としてキシリトールが配合されているので、キシリトールのう蝕予防効果は不確実です。

再石灰化効果

キシリトールによる再石灰化効果を教えてください。
キシリトールをはじめとする糖アルコールはCaと複合体を作ります。そのため、糖アルコールは脱灰した脂質への再石灰化の効果を期待できます。特にキシリトールは再石灰化に関与するとも論文が多くあり、キシリトール含有ガムの中には、歯の再石灰化効果が認められた特保指定の製品も市場に出ています。
なお、キシリトールガム使用時に唾液の分泌が促されるため、より再石灰化効果を向上させています。

歯周病抑制

キシリトールによる歯周病予防は期待できますか?
キシリトールには歯周病菌に直接作用する性質はありませんので、歯周炎には効果がありません。しかし、キシリトールは歯垢を除去しやすくする効果がみられますので、歯肉炎の軽減は期待できます。

他の糖アルコールとの違い

他の代替甘味料との違いを教えてください

糖アルコール共通の特長

  • ・甘みのあるものが多い
  • ・砂糖と比較して、血糖値の上昇が少ない
  • ・過剰に摂取すると、鼓腸や下痢の原因となります
  • ・ただし、継続的に摂取するとある程度耐性を生じるため、そのような症状は見られなくなります

各種糖アルコールの特長

【キシリトール】
  • ・砂糖と同程度の甘み
  • ・細菌による酸は一切産生されない
    ミュータンス菌に対し抑制的
【ソルビトール】
  • ・甘味度は砂糖の60%程度
  • ・細菌による酸は多少産生される。そのため唾液の存在が無いと、う蝕の原因となる可能性がある
【エリスリトール】
  • ・口内細菌の活動を弱め、歯垢形成などを抑える効果があるとされる
  • ・他の糖アルコールの甘味料に比べて下痢が起きにくい
  • ・ブドウ糖を発酵させることにより作られる
【マルチトール】
  • ・砂糖の約90%の甘味
  • ・麦芽糖を高圧水素添加して、カルボニル基を還元して得た糖アルコール
  • ・別名「還元麦芽糖」
  • ・少量であるが酸を産生し、そのため唾液の存在が無いと、その酸が虫歯の原因になる可能性がある

化学的に合成される人工甘味料の例

【アスパルテーム】
  • ・砂糖の200倍の甘味
【アセスルファムK】
  • ・砂糖の200倍の甘味
【スクラロース】
  • ・砂糖の600倍の甘味

があります。

研究について

トゥルクキシリトール研究で使われたガムのキシリトール濃度は100%ですか。
近日公開予定
キシリトールのタブレット等は、個人的には甘味がとても強く感じます。1日3-5回の摂取を習慣化することで、甘味への慣れや糖質の摂りすぎが気になるのですが、フィンランドではそういった点での弊害は出ていないのでしょうか。
近日公開予定
浸透圧性下痢のお話で、1㎏あたり0.75gのキシリトール量というはっきりした数字で患者さんに説明できるな、と思いました。そもそも、キシリトールの研究はどうして始まったのでしょうか。
フッ素は虫歯が少ない地域の水道水にフッ素が多く含まれた事から研究が始まったと記憶しています。
近日公開予定

フィンランドの事例

フィンランドでは歯ブラシ指導は齲蝕リスクの高い人にだけ行うと話していましたが、フィンランドの歯周病感染率は歯ブラシを使用していなくても低いのでしょうか? データがあれば教えていただきたいです。
近日公開予定
フィンランドでの歯周病罹患率はどの程度なのか興味が湧きました。
フィンランドの子供達は、学校で食事した後歯磨きしないということですか?
フィンランドでの齲蝕予防の取り組みと歯周病予防の取り組み比べると違いはあるのでしょうか?
近日公開予定